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菊つくりは発酵した有機肥料を与えるのが常識です。では「肥料を与える」と言うことはどういうことか、また根はどのようにして、その肥料を吸っているのか考える必要があります。
菊の根は肥料をそのまま吸うことはできません。土中の微生物に分解され根の吸える状態に作り変えられ土中に放出されます。
さらに肥料は微生物の栄養源として活用され、増殖や活動をくり返す中で栄養分を産出し土中に放出します。菊はこれらの微生物の作り出した栄養分を根から吸収し生長しています。
よって肥料は菊に与えるというより、土中の微生物に与えると考えることが正しいかもしれません。この点が有機肥料を使用する上で最も重要なポイントです。
この栄養分があってこそ、菊は若々しく鮮やかな緑の大葉、太い幹となり、かつ素直で力強い生育をするわけです。
さらに微生物の働きにより、培養土の通気性、排水性、保水力、保肥力を良くすることで、根の活力向上、肥料や水の吸収を高め、極めて生育の良い土に保つことができます。
肥料にはチッ素、リン酸、カリなど含有成分の割合がいろいろなものがあります。
しかし、肥料だから、菊のどの生育ステージで使用しても良いわけではなく、基本的な使い方があります。
止め肥 | 最後に与える乾燥肥料のことが「止め肥」と言われています。 8月下旬〜9月初めに与えるのが一般的です。使用する肥料は成長期に使用するものを使用するのが基本です。 置き方は三カ所にダンゴに置けば緩やかに長く効きます。表土にバラ撒けば効きめは強く早く効き終わります。 時々、「8月初めの止め肥」と言う方もいますが、その理由は「肥料が残る」のようですが、よほど与える量が多いか、未発酵の肥料を使用しない限り残ることはありません。止め肥は花弁数を増し大きな花を咲かせる為には重要な位置づけです。 |
肥料調整 | 肥料調整は9月中旬〜下旬にリン酸とカリの肥料(P.Kマグ)を2〜3回使用します。目的は過剰に吸った未消化チッ素分の代謝を早め開花を円滑に進める為です。 またカルシウムを同時に補給し、花ぐされの予防も同時に行います。 特に「暗濃緑色」「葉ッパが巻き込む」など過度のチッ素過剰が見られる場合は、肥料除去剤「エヌトール」で培養土にたまった肥料分を除去する必要があります。 「エヌトール」で肥料除去をした場合は、肥料不足が起き、蕾や花の肥大を悪くする場合はある為、その場合はチッ素分を含んだアミノ酸系の液肥(みらい又はアミノP.Kなど)での調整をする必要があります。 |
花 肥 | 花弁を伸ばし、花の肥大を促す追肥です。花に直接効かせる為に「花肥」と言われています。施す時期は厚物で10月初旬の「甘皮が破れ色が見えてくる頃」「花弁が2〜3本立ち上がり倒れ開花が始まる頃」「三分咲きの頃」「7〜8分咲きの頃」が目安です。 肥料は液肥(みらいがおすすめ)を使用し、うすめの倍率(1000〜2000倍)で灌水で使用します。なおガクが頑強なものは使用しないのが基本です。なお管物であれば厚物より“うすめ”で1回を目安に与えて下さい。 |
生育の状態は各々ちがう為、慎重に見極め対応することが必要です。
同じ肥料でも「水の掛け方」、「気温」、「粉か粒か」、「全面バラまきやダンゴに置く」など使い方により効きめの強さや効きめの長さが変わります。
生育状態に合わせて使いわけると、より効果的な肥料の使い方ができます。
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