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根ぐされ知らず 生育の良い植え込み方
植え込み方でこんなに違う?!
「細かな土は、水ハケが悪く、根ぐされが起きやすい土」と一般的に言われてきました。
本当にそうなのかよく考えてみると、そうばかりではなさそうです。
近年、植え込み方法が、「突き固め植え込み法」に変わってきました。(土を強く詰め込んで植える方法)
従来の方法とは、全く違う植え方です。
「突き固め植え込み法」は、根の働きと土の関係が、いろいろと化学的に解明されたことにより生まれた、新しい植え込み法です。
「突き固め植え込み法」は、同じ粗さの土であっても、その詰め方(突き固めの強さ)によって、全く水ハケは変わってしまいます。
そして水ハケだけではなく、培養土の性質も変えてしまいます。
粗い土もあれば、細かな土もあります。
さらに、植え込む時の培養土の詰め方があります。
こうして見ると、同じ培養土でも、いろいろ広範囲の使い分けができることがわかります。
粗い土をしっかりと突き固めて植えれば、土の粒子と粒子の隙間は小さく圧縮され、細かな土と同じ効果が生まれます。
「粗い土を突き固めて植えた場合」と、「細かな土を加減して軽く詰めて植えた場合」とでは、水ハケの具合は同じかもしれないし、場合によっては、粗い土の方が水ハケが悪い場合も充分に考えられます。
見掛けのみの「粗い土」、「細かな土」、水ハケが良いとか、水持ちが良い、どちらが育ちが良いなどの議論をしてもあまり意味が無いように思えます。
むしろ「突き固めて植えたのか」、「軽く詰めて植えたのか」、この問題が大きな意味を持っていると考えます。
また、この問題は、水ハケや保水力だけではなく、根づくりや生育に重要な関係があるからです。
「突き固めて植える」、「固く詰め込んで植える」、いずれも培養土を詰め込んで植える程度問題の表現です。
どちらも、土の粒子と粒子の隙間を小さく圧縮して植えることに変わりはありません。
培養土と植え込み方法が一体となって、始めてその特徴となって現れます。
@ 「粗い土」突きこめば、「細かな土」
土の粒子と粒子の隙間が問題! 細かな土は、もともと粒子間の隙間が小さい。粗い土は粒子間の隙間がもともと大きい。その隙間をどのようにして使うかが植え方のポイントです。
「水や空気は、土の粒子と粒子の隙間を流れる」「水や肥料は、土の粒子が保持する」
A 「通気性」・「保水性」植え込み方でどう変わる??
B 土中水分の移動を見る!
水掛け後、鉢土中の水分の移動は、基本的に鉢土に染み込みながら、余分な水分は、鉢底に向かって流れ落ちます。
その後、表土が乾くと、毛細管作用により、鉢底から表土に向かって移動します。
粒子間の隙間の小さな土(細かな土)は、毛細管作用の働きが強く、常に水分の多い所から少ない所に移動し、鉢土内の水分を均一に保つ力が働きます。
粒子間の隙間の大きい土(粗い土)は、毛細管作用が働かない為、水分の移動ができなく、乾きすぎる部分と過湿の部分ができやすい。
乾いた所は、液肥が効かない、乾燥肥料も分解が進まない為、効きにくい。
水掛け直後 培養土中の水の移動を見ると…
余分な水が落ち、乾いてくると…その移動を見る
C 根の張り方はどう変わる??
・太く長く伸びた根は、水や栄養分を運ぶパイプの役目が主となり、水や肥料はあまり吸わない。
・細く短い根も、太く長い根も、一本一本の働きは、あまり変わらない。
(水や肥料を吸う部分は、根の先端が中心になる為)
D 植え込みの方法…自分流を考えよう
見た目、粗い土も、細かな土も固く詰めて植え込むことが大切であることは、説明の通りです。
名人と呼ばれる人は、必ず固く詰め込んで植えています。
「固く詰め込んで植え付ける」と言っても、無茶苦茶に突き固めれば、土の物理性を破壊し、水ハケや通気性をダメにしてしまいます。
ただ「突き固めろ」と、教わったら、突き固める、何とかの一つ覚えは失敗のモトです。
物には限度があり、その詰め方の度合いが問題です。
これ以下の詰め方ではダメ!!
毛細管作用が充分に働く為には、土の粒子間の隙間をある程度小さくする必要があり、毛細管作用が充分に働くところまで詰め込みます。
この方法は、指で強く詰め込む方法や、棒切れ等々で突き込む方法があります。
日中表土が乾き、夕方又は翌朝に、再度表土が湿ってくるようなら毛細管作用が働いている証拠です。
朝、表土が乾いたままで、鉢が重ければ、毛細管作用が働いていないことを意味します。
もう少し強く固く詰め込む必要があります。
もし鉢が軽ければ、水掛けが必要です。
これ以上詰め込んではダメ!!
培養土は、詰め込み熟成することで、フワフワの団粒構造が形成されています。
突き込むことで、土の粒子間の隙間は圧縮され小さくなります。
さらに突き込むと、団粒構造は破壊され、水ハケは段々と悪くなり、さらに突き込めば、水ハケはは最悪の状態になります。
ここまで突き込んでは、水ハケや通気性が悪過ぎるので、この手前で止めることが大切です。
有益微生物を良く増殖させた培養土では、極端な突き方さえしなければ、一時的に破壊された団粒構造も、微生物の働きで再生されてきます。
良い培養土ほど、団粒構造は壊れにくく、再生力は強くなります。
E 植え込み方法の例
小鉢(5号鉢)部分より、外周部を強く詰め込むようにします。
こうすることで、鉢の中心部の根を張らせ、鉢の外周部の根巻きを少なくすることができます。
優秀な花の咲く確率の高い植え方とされています。
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